【214】振り払われた手

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♡)はぁ……


折角のリフレッシュ企画だったのに
私の頭の中はモヤモヤモヤ……


「EXILEだって絶対遊んでるでしょーー」

「現地妻がいて当たり前ですよ。」


♡)……


EXILEって…誰なんだろう…

みんな良い人なのに…

一部の人なのかな…
それとも全員なのかな…


「相手がいても現地妻は別だね。」


♡)……


彼女がいても遊ぶの?

それって浮気だよね?

LDHはあんなに真面目なんだもん。
浮気なんかしないよ。

そんなのきっと
ただの噂だもん!!!

彼女がいる人はちゃんと
彼女を大事にしてるはず!!


私は信じる!!!!


「まぁ女が勝手に
 寄ってきそうですもんねぇ…」

「スポーツ選手もみーんないるし。」


♡)……


うわーーん!!

もうやだっっ!!!!


♡)にゃんこーー!!!!

ぎゅむっ!!!


♡)…っ


こんなモヤモヤ…
早く吹き飛ばしてほしい。

臣くんに聞いたら絶対
違うって言ってくれるもん!!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


臣)ただいまーーー

♡)おかえりなさいっ!!!


パタパタパタッ!!!


臣)たーだいま♡
♡)おかえり…なさい。
臣)風呂あるー??
♡)うんっ
臣)じゃあ入ってくるーー
♡)……
臣)??
♡)……
臣)一緒に入る?w
♡)あ、ううん!
臣)……


なんだ?
なんか元気ない??


風呂から上がって
水を一杯飲み干すと

♡はソファーでにゃんこを抱きしめながら
ぼけーっとしてる。


臣)なんか飲むー?
♡)あ、ううん、大丈夫。
臣)……


俺は♡の隣に座った。


臣)今日、どうだった?
♡)え?
臣)なんだっけ、贅沢女子会だっけ?
♡)あ…、うん。
臣)……
♡)スパ…行ってきたよ。
臣)そっか。


の、割に元気ねぇな…
どうした??


♡)臣くんは…今日は…撮影だっけ。
臣)うん、TAKAHIROさんと。
  めっちゃ楽しかった♪
♡)そっか…
臣)うん。
♡)……
臣)……


どうしたんだ??


なでなで…


♡の頭を撫でると
♡が俺の目をじっと見つめた。


♡)臣くん…
臣)ん?
♡)……
臣)……
♡)……
臣)どうした??
♡)……
臣)……


♡がにゃんこを膝から降ろした。


♡)あのね…、
臣)うん。
♡)EXILEって…現地妻がいるの?
臣)……
♡)……
臣)は?!!!
♡)……


いきなりの質問にびっくりした。

でも…
♡の顔は真剣で…


臣)どうした?急にw
♡)…いるの?
臣)「現地妻」って…ww
♡)いるの?
臣)……
♡)……
臣)うーん…聞かない方がいいと思うけどw
♡)えっ…
臣)……
♡)いるって…こと?
臣)……


なんて答えたらいいんだ?


♡)やっぱり…いるんだ…
臣)……うーーん…w
♡)みんな…いるの?
臣)え?
♡)EXILE…みんな…
臣)…みんなっつーか…


地方行ったら遊ぶのなんて
もう当たり前だしなーー


臣)どうだろね。
♡)……


俺の曖昧な返事に♡が俯いた。


臣)急になんだよw
♡)…っ


頭を撫でようとすると
♡が顔を上げた。


♡)三代目は?
臣)えっ?
♡)三代目は…いないよね?
臣)……
♡)……
臣)……


気まずい空気…

♡が真剣に聞いてるのはわかるから
笑ってごまかせる雰囲気でも
流せる雰囲気でもないし…


♡)いるの?
臣)…っ
♡)三代目もいるの??
臣)……

ぽんっ

臣)昔の話だよ?w
♡)……っ


……ぱしっ


俺がそう答えた瞬間
♡の頭に置いた手を、振り払われた。


臣)え……
♡)昔は…そういうことしてたの?
臣)……
♡)三代目…みんな?
臣)……


昔はっつーか…
今もみんなしてるけど…


♡)臣くんも…してたの…?
臣)……
♡)……
臣)昔だよ?
  お前と付き合う前。
♡)…っ


嘘をついても見破られそうで
正直に話したけど

一気に潤んでいく♡の瞳を見て
一瞬で後悔した。


♡)色んなところで…
  そーゆーこと…してたの…?
臣)…っ
♡)好きでも…ない人と…
臣)……
♡)……
臣)……


答えられずにいる俺に、♡が口を開いた。


♡)好きだったの?
臣)は?
♡)……
臣)……


どう答えるのが正解かわからないし
思考回路を鈍らせるような重たい空気。

嘘を考える余裕もなくて
俺はまた馬鹿みたいに正直に答えるしか
出来なくて…


臣)好きじゃないよ。
♡)……
臣)好きなわけねぇじゃん。
♡)…っ


ああ、この回答は間違いだった。
♡の顔を見ればわかる。

俺を見る瞳に
軽蔑の色が滲んでく…


♡)じゃあ好きじゃない人と
  平気でそういうこと…してたの?
臣)……
♡)……
臣)……
♡)どうして…?
臣)……


どうしてって…


「男だから」とか
「ただの性欲処理」だとか

そんな理由が今この場で
通用するわけないことくらいはわかる。


臣)……


何も答えられない。


臣)……
♡)ファンの子たちが…
臣)…っ
♡)一生懸命お金ためて休み取って
  地方に遠征して…
  三代目を観に行ってる夜に
臣)……
♡)みんなは好きでもない女の人と
  そういうことしてるの?
臣)……
♡)……
臣)そう並列されると…
  俺らすげぇクズみたいじゃんw
♡)……


その通りだと言いたそうな無言の沈黙。


♡)ファンの前で
  愛とか夢を伝えてる日に
  見えないところではそんなことしてるの?
臣)……


なんかもう…
どんどん取り返しがつかなそうな
気配を感じて…


臣)今はしてないよ?
  昔だよ?昔!
  お前と付き合う前!!


これが今の俺に出来る
精一杯の言い訳。


臣)今はほんとにしてない!!
  お前と付き合ってからそんなこと
  一切してない!!
♡)……


♡の表情は変わらなくて

必死な言い訳も一切通じなくて
もどかしさが募る。


こんなにお前が好きで
今はこんなにお前のこと大事にしてて

なのに過去の話で
お前にそんな顔させてんのが

なんか…やるせなくて


臣)付き合う前の話だって。
  もう昔の話なんだからいいじゃん。


俺の馬鹿な一言に
♡が冷たく口を開いた。


♡)付き合ってない時なら
  何してもいいみたいな考え方、
  私、嫌い。
臣)…っ


そうだった。
♡はそういう考え方だった。


臣)……
♡)……


どうしよう…

重たい空気にどんどん飲み込まれるみたいで
何も言えずにいると


ぽたっ


臣)…っ


ぽた…ぽた…っ


♡の涙がこぼれた。


臣)…泣くなよ……


ぱしっっ!!


臣)…っ


触るなと言うように
手をまた振り払われた。


♡)最低……
臣)…っ


ーーバタン。





……


臣)……


♡は自分の部屋にこもって
その夜は出てこなかった。


臣)……


♡の部屋に行って
何か言い訳した方がいいのかもしれない。

謝った方がいいのかもしれない。


でも…
どれも正解とは違う気がして
どうしていいのかわからない俺は

そのまま一人で
広いベッドに身を投げた。


臣)……


♡の涙が頭から離れない…


どうしよう…

どうしよう…


こんなこと初めてだから
どうしていいのかわからなくて…


「最低」


♡は怒ってるんだろうか…


臣)……


どうして俺…
最初に聞かれた時…
あんな気楽に答えたんだろう。

♡の真剣な表情を見れば
笑って済む話じゃないってわかったはずなのに

♡がそういうのを何より嫌うのは
わかってたはずなのに…


じゃあ嘘をつけば…良かったんだろうか。
三代目はそんなことしてない、
俺はそんなこと…したことないって…


臣)……


それも…違う気がする。
いや、でも…
♡にとってはそれが正解だったのかな…


もうわからない。


あんな気楽に答えたのは
無意識に心のどこかで

昔の話だから…
今はこんなに想い合ってるんだから
大したことじゃないって

そんな風に考えた俺の甘さだ。


俺は知らないうちに
♡の気持ちに甘えてたんだろうか…

慣れてたんだろうか…


ちょっとやそっとじゃ
♡の俺への気持ちは…変わらないって…


だとしたら本当に最低だ。



臣)……



一緒に住む時…

風邪ひいた時とかに
俺にうつしたくないから

別々で寝れるように
自分のベッドも残しておくって
そう言ってた。

でも…別々に寝る日なんて一度もなくて
毎日一緒に寝てたから…


今日は、初めて別々に寝る夜。



臣)……



どうしたら良かったのか
いくら考えても正解が見つからなくて

正解が見つかったところで
もう手遅れで


♡に言われた「最低」っていう言葉と

あの涙だけが…


ずっと頭の中を
ぐるぐると駆け巡ってる……




ーendー

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