【103】未来予想図?

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臣)よーし、じゃあ出発すんぞー!
♡)おーっ!!
 
 
二人で車に乗ってナビを設定。
 
 
♡)なんて名前だっけ??
臣)んーっとね〜〜
  あ、ここ駐車場ねぇ!
♡)えっ!うそー!!
 
 
臣くんのiPhoneをのぞきこむ。
 
 
臣)どうしよ…
♡)でも近くに旅館あるよー
臣)え?
♡)そこから歩いて5分だって♪
臣)いや、停めさせてくれんでしょーよw
♡)なんでぇ?お願いしてみよーよ♪
臣)へ?
♡)私、頼んでみるよー♡
臣)……
♡)え?
臣)いや、その発想がなかったw
♡)え…
臣)お前らしいなw
♡)よし、行くぞーー!!
臣)おう!!
 
 
それから車を走らせること5分。
 
 
♡)あ、あそこの旅館だよ!
臣)近っww
♡)ねっww
 
 
旅館の駐車場に車を停めて
私だけ降りた。
 
 
♡)待っててね♡
臣)おう、無理すんなよ!
♡)はーい!
 
 
フロントに行くと
すごく怖そうなおばさんが一人。
ドキドキ…
 
断られちゃうかな…
 
 
♡)あの…
女)いらっしゃいませ。
♡)宿泊じゃないんですけど…
  駐車場に少しだけ
  車停めさせてもらってもいいですか?
女)はい?!
 
 
鋭い視線に少し萎縮する。
 
 
女)当館の駐車場は
  ご宿泊のお客様専用でございます。
♡)はい…、あの、えっと…
  すぐそこの滝に行きたくて…
  1時間もしないと思うんですけど
  少しだけ…
女)……
♡)少しだけ、停めさせてくださいっ!
  お願いしますっ!!!
女)……いいですよ。
♡)わぁっ!!本当ですか??
女)はい。
♡)ありがとうございますっ!!
  わぁ♡優しい♡
女)……//
子)お姉ちゃん、滝に行くのぉー?
♡)わっ!!
 
 
後ろから男の子が抱きついてきた。
 
 
女)こら、やめなさい!ノボル!
子)お姉ちゃんイイ匂いするー♡
♡)あはは♡ほんとー?
子)僕も一緒に行くー!!
女)こら!何言ってるの!
♡)息子さんですか?♡
女)いえ、孫です//
♡)わぁ!お孫さん!!
  学校、春休みなのかな?w
子)学校は来週からだよー!
  僕、一年生になるんだよー!
♡)わぁ!じゃあ入学式だ!
子)うんっ!!
♡)楽しみだねー♡
子)えへへーw
女)もう、いいから戻ってきなさい。
子)ぶぅ……
♡)ノボルくん、だよね?
  一緒に行くー?
ノ)え、いいの!?
 
 
ノボルくんの目が輝いたw
 
 
ノ)おばあちゃん、行ってきてもいーい?
女)ご迷惑だからやめなさい。
♡)いえ!!私は全然…
ノ)あっ!!!!
 
 
ノボルくんが目をまんまるにしたから
後ろを振り向くと…
 
 
♡)えっ、臣くん!!
臣)遅いから心配になって。
♡)あ、えっと…
  停めさせてもらえるって…
臣)あ、ほんと?w
  ありがとうございます。
 
 
臣くんがおばさんに頭を下げた。
 
 
女)いえ、少しなら…
臣)お前無茶言ったんじゃねぇの?w
♡)そんなこと…ないもん//
臣)ならいいけどw
ノ)お兄ちゃん、見たことある!!
臣)へ?
ノ)EXILEだ!!!
臣)ちげーよw
ノ)そうだよ!!!
臣)ちげーってのw
ノ)だってTAKAHIROと歌ってたじゃん!!
  テレビで見たよ!!
臣)ああ、TRIBE?w
  俺は三代目 J Soul Brothersって名前ーー
 
 
臣くんがゆっくりそう言うと
 
おばさんが急に立ち上がった。
 
 
女)ええっ!!///
臣)え…?
女)わ、わ、わ…// 本物…?!
臣)…はい。
女)……//
 
 
おばさんが固まっちゃった。
 
 
ノ)お兄ちゃん、すげぇじゃん!!
臣)何がw
ノ)テレビに出てたんだから!
臣)知らなかったくせにーw
  覚えたか?こんにゃろー
ノ)三代目 じぇいそーる…??
臣)Brothers!ww
ノ)ぶらざーずー!!
臣)おうw
♡)あ、あのね、
  ノボルくんも滝行きたいって。
臣)へ?
  ああ、お前ノボルっつーの?
ノ)うんっ!!
♡)だから一緒に行こーって話してたの♡
臣)おう、じゃあ行くか?w
ノ)うんっ!!!
  おばあちゃん、行ってきていーい?
女)き、気をつけて…ね///
ノ)はーい!!
 
 
ノボルくんは元気良く返事すると
嬉しそうに、私と臣くんと手を繋いだ。
 
 
臣)何この画w
♡)あはははw
ノ)へっへーー♪
臣)お前道わかんの?
ノ)わかるよー!!
臣)じゃあ道案内は任せたw
ノ)だっていつも遊びに行くもん!
臣)いつも行ってんのに行きてぇのか?w
ノ)お姉ちゃんと一緒にいたかっただけー♡
臣)は?w
♡)え?w
ノ)お姉ちゃんイイ匂いするし
  可愛いんだもーん♡
臣)マセガキめw
♡)あはははw
 
 
ノボルくんを真ん中に挟んで
3人で山道を歩く。
 
 
私たちの手を握りながら
たまにぴょんぴょん飛び跳ねるのが可愛くて
 
なんか楽しいなぁ♪♪
 
 
♡)ノボルくん、来週入学式なんだって♪
臣)おお!マジか!
ノ)うんっ!!
♡)友達いっぱいできるといいね♡
ノ)いっぱい作るー!!
臣)おう、作れw
ノ)勉強も頑張るー!!
臣)お、偉いじゃんw
ノ)僕、大きくなったら
  パイロットになりたいんだ!
臣)へぇーー!!!
♡)すごーい!!!
ノ)高いところが大好きだからね、
  空からいろんなところ見てみたいんだ!
♡)素敵だねー♡
ノ)へへっ//
臣)じゃああんまりゲームすんなよ?
ノ)えっ!!
臣)目ぇ悪くなるから。
ノ)目…?
臣)そ。視力落ちたら
  パイロットになれねーぞ。
  気をつけろ。
ノ)そうなの?!
臣)そうだよ。
ノ)気をつける!!!
臣)おう。
ノ)あ、あそこだよー!!!
♡)わぁ!!
臣)お〜〜〜〜
  なんか風情漂うかんじーー
♡)ねっ!!!
 
 
辿り着いたのは
高さがある滝じゃなくて
 
横にすっごく広い、すだれ状の滝だった。
 
 

 
 
♡)なんか癒されるねぇ♡
臣)うんw
ノ)お水は飲めないからダメだからねっ!
♡)はいっ!!
 
 
森の中だから…
 
すっごく静かで
滝の流れる音だけが響いてる。
 
 
臣)ここの滝は
  ずっと知られてなかったんだって。
♡)え?
 
 
臣くんが看板を読んでる。
 
 
臣)大正時代になってやっと
  この滝の美しさを広めたいと思った人が
  ここまでの道を整備したんだってー
♡)そうなんだぁ!
  じゃあその人のおかげだね!
臣)だな。グッジョブ。
♡)あはははw
 
 
ノ)見てみて〜〜!!
臣)ん?
ノ)変な虫いた〜〜♪
臣)……おわぁ!!!!
 
 
ノボルくんが持ってきた虫にびっくりして
臣くんが後ろに転びそうになった。
 
 
♡)大丈夫?w
臣)び、びびった!!
ノ)ほら、変な虫ぃ〜〜
臣)んなもん持ってくんな!!
♡)あはははww
  わぁ、変わった形だねーー
ノ)ねっ!!
♡)どこで見つけたの?
ノ)あの木の上にいたー!!
♡)あそこ登ってたの?!
ノ)うん!!
♡)いつの間に…w
ノ)お姉ちゃんも登る?♪
♡)お姉ちゃんはスカートだから
  やめとこっかなw
ノ)ちえーーっ
♡)あはははw
臣)お前ほんと高いとこ好きなんだなw
ノ)うん!!♪
 
 
それから3人で少し歩いて
私はまた写真をいっぱい撮った。
 
 
臣)カメラ小僧したー?w
♡)うんっ!!
  滝もキレイに撮れたよー♡
臣)じゃあそろそろ戻るか。
♡)うん。
ノ)お兄ちゃん!!肩車して〜〜〜
臣)はぁ?w
ノ)だめ…?
 
 
ノボルくんが
臣くんの手をキュッと掴んで
臣くんを見上げた。
 
か、可愛いっ///
きゅーーん!!!
 
 
臣)そんな高いとこが好きなんかいw
ノ)前は…パパがよくしてくれたんだけど
  最近は首を痛めたからって…
  もうできないよって言われて…
♡)そうなんだ…
 
 
ノボルくん…
すっごくさみしそう…
 
 
臣)しゃーねーなー。
 
 
臣くんがかがんだ。
 
 
臣)ほら、乗んな。
ノ)いいのっ?!
臣)おう。
ノ)やったぁ!!!
 
 
臣くんが肩車してあげると
ノボルくんは大喜びで…
 
 
ノ)すごーい!!パパより高ーい!!!
臣)はははw
 
 
な、何この光景…!
可愛すぎる!
きゅんきゅん///
 
 
よし……っ
 
 
パシャッ
 
 
臣)おい!w
♡)はっ///
臣)また隠し撮りしただろw
♡)バレた///
臣)ほら、行くぞー
♡)はーい!
 
 
ノ)ねぇねぇ!あれ届くかなぁ!
臣)んー?
ノ)あそこの枝ー!
臣)お、あれかっけぇじゃん!w
ノ)欲しいーー!
臣)んーー届くかな?
  じゃあジャンプすっからお前取れよ?
ノ)わかった!!
臣)せーーのっ!!
ノ)えいっ!!
 
♡)ああ!惜しい!!
  もうちょっと右ー!!
 
臣)よし、もっかいw
ノ)うん!!
臣)せーーのっ!!
ノ)えいっ!!
 
♡)取れた〜〜!!!
 
ノ)やったぁ!!!
臣)はぁ…疲れた…w
♡)あははは!お疲れさまw
ノ)これすっごくカッコイイ!
臣)おい、あんま振り回すなよ?
  俺に刺さるw
ノ)はーい!
♡)ノボルくん良かったねー♡
ノ)うんっ!!
 
 
それから旅館に戻ると
 
隣の花壇に可愛いお花を見つけて
私は写真を撮りに行った。
 
 
♡)かわい〜〜♡
 
パシャッ、パシャッ
 
 
ノ)ねぇ、お姉ちゃん
♡)んーー?
ノ)お姉ちゃんってばー!
♡)なぁに?
 
 
後ろを振り向くと
ノボルくんが振り回した枝が
腕に刺さって…
 
 
♡)いた…ッ!
ノ)あ…っ
臣)あ、お前!
  振り回すなっつったろ!
ノ)…っ
臣)大丈夫?
♡)うん、大丈夫!
臣)腕、切れてんじゃん。
♡)少しだけだよ!全然大丈夫!!
ノ)……
臣)ノボル。
 
 
臣くんがしゃがんで
ノボルくんの手を握った。
 
 
臣)あんなぁ…
  遊んだりイタズラしたりすんのはいいけど
  女に怪我させんのはダメだ。
ノ)はい…
臣)気をつけろよ?
ノ)はい…
臣)ほら。
 
 
臣くんがノボルくんの背中を
ポンッて押すと
 
ノボルくんが私の前に来て、俯いた。
 
 
ノ)…お姉ちゃん、…ごめんなさい。
 
 
消え入りそうな、小さな声。
 
 
私もしゃがんで
ノボルくんの手を握った。
 
 
♡)大丈夫だよ♡ 顔、あげて?
ノ)……
♡)大丈夫だから♡
ノ)痛かった…?
♡)大丈夫だよ。
 
 
ほっぺをなでなですると
ノボルくんの目が潤んだ。
 
 
ノ)ごめんなさい〜〜っ
♡)わぁ!!泣かないのーー
  大丈夫だから!!
 
 
私がノボルくんを抱きしめると
ぎゅっとしがみついてきた。
 
 
可愛いなぁ…
 
 
臣くんを見上げると
眉を下げて笑ってた。
 
 
臣)ほーら、いつまでも泣くな。
ノ)ぐすん、ぐすん。
臣)男だろーー
ノ)……
 
 
臣くんが頭をわしゃわしゃすると
ノボルくんはやっと私から離れて、
 
 
ノ)抱っこ…
臣)はぁ?今度は俺かよw
ノ)…っ
 
 
ノボルくんは黙って
臣くんの服をぎゅっとつかんだ。
 
可愛い!!
またまたきゅんっ!!///
 
 
臣)ほらっ
 
 
臣くんが抱っこしてあげると
ノボルくんは嬉しそうに抱きついた。
 
 
ノ)えへへ…//
臣)お前、男のくせに甘えんぼかよーw
 
 
ノボルくんは少し照れたように
臣くんにすりすりしてるw
 
可愛いなぁ♡
 
 
そのまま3人で旅館に戻ると
フロントに女の人が立ってて、 
それを見つけたノボルくんが声をあげた。
 
 
ノ)ママーー!!
 
 
ノボルくんが走っていった。
 
 
母)あ、あ、あんた…!!
  登坂さんに、だ、だ、抱っこ///
ノ)お兄ちゃんとお姉ちゃんと
  滝に行ってきたんだよー!
母)はわわわっ///
  あ、あの…すみません、
  うちの息子が…っ
臣)いえ、楽しかったですよ。
母)あ、あ、あのっ
  母から登坂さんが来てるって聞いて
  慌てて飛んできてしまいました//
臣)え?
母)あのっ、私も母も、大ファンでして…
臣)え!!ほんとですか?
母)はい…//
  良かったら…その…握手…
臣)ああ、はい!
 
 
ノ)お姉ちゃん、もう帰っちゃうのー?
♡)うん♡
ノ)ちえーっ
 
 
臣くんはノボルくんのお母さんとお話してて
ノボルくんは私にまた飛びついてきた。
 
 
♡)よいしょっ
  わぁ!ノボルくん重たいね!w
ノ)ほんとー?
♡)結構ずっしりw
  臣くんは軽々だったのにな〜
  私ももっと鍛えなくっちゃ!!
女)子育てしてたら
  筋力なんて自然につきますよw
♡)あ…っ
ノ)おばあちゃん!
  あのね、木登りしてね、
  ジャンプもしてね、
  すっごく楽しかったよー!
女)良かったねぇw
ノ)うん!!
♡)あははは♡
女)すいませんねぇ、なんか
  娘が飛んできてしまって…
♡)いえ!!
  あの…お二人とも…
女)はい…実は…ファンなんです//
  お恥ずかしい//
♡)あははは♡嬉しい♡
女)こんなところに
  登坂さんがいらっしゃるなんて
  びっくりしましたw
♡)あははは♡
女)このへんは観光するところも
  大してないし…
  ほんと、あの小さな滝くらいで…
♡)でもすっごく素敵な所でしたよ♡
女)そうですか…
♡)はいっ♡
女)あそこは夏になると
  ホタルがたくさん集まって
  それはそれは幻想的なんですよ。
♡)わぁぁ♡そうなんですか??
  いいなぁ〜〜♡
女)良かったらまた来てください。
♡)はいっ!!♡♡
ノ)お姉ちゃんまた来るのぉ?
  やったぁ!!!
♡)あはははw
  そしたらまた一緒に行こうね♡
ノ)うんっ!!
 
 
ノボルくんが
またぎゅってくっついてきた。
 
可愛い♡
 
 
女)登坂さんが…
♡)え…?
女)お付き合いしている方が…
  …あなたのような女性で
  良かったです…。
♡)…っ
 
 
そう言っておばさんは
すごく優しい顔で笑った。
 
 
♡)…ありがとう…ございます///
 
 
その言葉に、私は胸がじーんとした…。
 
 
母)ちょっと!お母さん!!
  サインもらっちゃった!!
  どうしよう!♡♡
臣)車、どうもありがとうございました。
女)いえいえ。
臣)よし、じゃあ行くか。
♡)うん!!
女)ありがとうございました。
♡)いえ!!こちらこそ
  どうもありがとうございました!!
臣)ノボル、またな!!w
ノ)うんっ!!
  お兄ちゃん!お姉ちゃん!
  ばいばーい!!!
♡)ばいばーい♡
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
♡)はぁ♡
  ノボルくん可愛かったねぇ♪
臣)なーw
♡)よっし!!次はどこですか?
臣)んーと…
  まぁ適当に走りまーす。
♡)???はーいw
臣)なんか色々満喫できてんなーw
♡)ねっ♡
  マイナスイオン気持ち良かったw
臣)癒されたわーw
♡)旅行楽しい♡
臣)どっかまた…行きたいとこある?
♡)え??
臣)旅行。
♡)え…、いっぱい…ある!!!
臣)いっぱいあんのw
♡)あるよぉ!!
  色んなところ行きたいもんっ♡
臣)だよなーー
♡)うんっ♡
  海外も去年のバリ以来
  どこも行けてないし…
 
 
ああ、そういえば…
GWに行ってたっけ。
 
 
臣)……お前さぁ、有休取ろうと思ったら
  どんくらい取れんの?
♡)え??
  その時の仕事状況にもよるけど…
  一週間とか取ろうと思えば取れるよー
臣)え、マジ?!すげぇな!
♡)へへーw
臣)じゃあ、今度LA行こうよ。
♡)え!LA?!
臣)うん。
♡)臣くんお正月行ってたよね。
臣)うん。
  6月とか…どう?
♡)えっ!!ほんとに?!
臣)うん。
♡)え、え、行きたい!!
  ほわぁぁ!!!
臣)ふははっw
♡)ドキドキしてきた!!
臣)うん、お前連れて行きたい。
♡)……//
臣)じゃあ近々作戦会議な。
♡)はいっ!!!
 
 
いっぱい連れてってやりたいとこ
あんだよな〜〜
どこ連れてっても
目ぇ見開いて感動しそうだし、こいつw
 
 
臣)あ、そーいえばさ、
♡)……
臣)あ。
 
 
もう寝てるんですけど。
 
気持ち良さそうな顔しちゃって…
 
 
ま、いっか。
寝てるうちに花買っちゃお。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
臣)おい、起きろ。
♡)ん……
臣)起きろーー
♡)……ん…にゃ?
 
 
臣くんの声がして右を見ると
臣くんがいない。
 
 
臣)こっちw
♡)え…
 
 
左を振り向くと
臣くんがドアを開けてくれてた。
 
 
♡)わっ!!びっくりした//
臣)起ーきろ、そんで降りろw
♡)は、はいっ!!!
 
 
慌てて車から降りる。
 
 
♡)私、また寝てたの?!
臣)すやすやねーw
♡)わ、わ、ごめんね?!//
臣)いいよもうw
♡)わーん!本当にごめん!!
臣)いいから、ほら行くぞw
♡)え…?
 
 
ここ…って…
 
 
え!!!
 
 
♡)臣くん…
臣)んー?
♡)え、え、ここ…
臣)俺、場所わかんないから案内して。
♡)……っ
臣)…おーい?
♡)どう…して…
臣)この間…レイコさんに聞いたから。
♡)えっ!!!…ママ…に?
臣)うん。
♡)え、え、……っ
 
 
私が…いなかった時…?
 
 
♡)どうして…
臣)来たかったから。
♡)……っ
臣)ちゃんと挨拶したいし。
♡)……っ
 
 
臣くん……
 
 
臣)ちょ、おい!!
♡)うう〜〜っ
臣)なんで泣く!!
♡)だってぇ〜〜〜
臣)だ〜〜もう!!
 
 
臣くんが私の涙を袖口で拭った。
 
 
臣)泣ーくな!
♡)う…っ、うっ
臣)お父さんに俺が泣かしたと
  思われんだろーーw
♡)はっ!!!
臣)ほら、ニコッ。
♡)ニコッ…
臣)よしw
♡)…臣く…ん…
臣)んー?
♡)ぎゅー……
臣)え…っ
 
 
私は臣くんにぎゅって抱きついた。
 
 
臣)おい…//
♡)ぎゅー……
臣)やめろ//
♡)だって…
臣)お父さんに見られてっかも
  しんねーだろー!w
♡)あはははっw
臣)もう〜〜
 
 
臣くんが私の頭を優しく撫でた。
 
 
♡)あっ…お花!!
臣)うん。
♡)え、え、いつの間に!!!
臣)お前が寝てる間にw
♡)わぁっ!!!
臣)ほら、行くぞ、案内して。
♡)……うん!!!
 
 
私が寝てる間に
お花まで用意してくれてたんだ。
 
臣くん…
嬉しいよぉ…
 
 
何より…
パパに会いに来てくれたのが
すっごく嬉しい。
 
 
♡)…ここだよ。
臣)……
♡)私、お水汲んでくるね。
臣)ん。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
♡が水を汲みに行っている間に
俺はお墓に花を添えた。
 
 
♡のお父さん。
 
どんな人だったんだろう…
 
 
話で聞くことしか出来ないけど
会ってみたかった。
 
 
♡やレイコさんが
あんなに愛してる父親。
 
 
大切な家族を残したまま
自分だけが死んでしまうって
どれだけ悔しいだろう…
 
きっと…
 
子供達の成長も
もっと見守りたかったはずなのに…
 
 
臣)……
 
 
俺は墓前にしゃがんで
手を合わせた。
 
 
 
お父さん。
 
 
♡が…あんなに純粋で
綺麗な心のまま真っ直ぐ育ったのも
 
あなたのおかげだと思います。
 
 
あなたの代わりになんてなれないけど
でも…
 
あなたが本当は生きて
愛したかった分も、守りたかった分も、
 
俺があいつの側にいて
愛して…守っていきます…。
 
 
必ず、幸せにします。
約束します。
 
 
♡に出逢わせてくれて…
ありがとうございます…
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
お水を汲んでパパのところに戻ると
 
臣くんが真剣な顔で
手を合わせてた。
 
 
♡)臣くん…
 
 
少し後ろから
その姿を見守ってると
 
しばらくして
臣くんがゆっくり立ち上がった。
 
 
臣)あ…、おかえり。
♡)うん。
臣)……
♡)パパと…何話してたの?
臣)……
 
 
お墓に水をかけると
太陽の光が反射して、キラキラ光った。
 
 
臣)んーー、いろいろ?
♡)いろいろ?
臣)うん。
♡)そっか…
臣)ん。
♡)私もお話するー!!
臣)おう。
 
 
しゃがんで目を閉じて…
手を合わせた。
 
 
♡)パパ!!!臣くんだよ!!!
臣)ぶっww
  声に出すんかい!w
♡)え、変?w
臣)いや、いいけどw
♡)だって聞こえなかったら困るもんっ!
臣)うんw
♡)…パパ、臣くんと一緒に来たよ。
臣)……
♡)きっと…空から見ててくれてるから
  知ってると思うけど…
  私の…大好きな人だよ♡
 
 
パパ…、見えてる?
 
 
♡)大好きで…本当に大好きで、
  すっごくすっごく大事な人。
 
 
パパ…、聞こえてる?
 
 
♡)臣くんに出逢えて
  臣くんを大好きになって
  臣くんと一緒にいて
  …今、私すごく幸せだよ♡
臣)……
♡)パパが私のこと…
  いっぱいいっぱい大事にして
  くれたみたいに…
  私も…臣くんのこと
  いっぱいいっぱい大事にする♡
臣)……
 
 
パパに、約束するね?
 
 
♡)報告できて…良かった♡
  パパ、大好き。
  ずっと大好き。
  いつも…ありがとう。
  これからも…見守っててね…?
 
 
そう伝え終わって
ゆっくり目を開けると
 
隣にあたたかい気配を感じて…
 
 
♡)わっ、びっくりした//
臣)なんでw
 
 
臣くんが並んでしゃがんでた。
 
 
♡)だって…
 
 
一緒に…隣にいてくれたの?
 
 
♡)ありがとう…//
臣)うん。
 
 
そう言って笑った
臣くんの表情がすごく優しくて…
 
 
私を見つめる
優しすぎる瞳を見てると…
 
 
♡)…っ
 
 
そのあたたかさに…
胸が詰まって
 
 
♡)う…っ…
臣)え!!!…ちょ、なんで!!
♡)…わかん…ない…
 
 
涙が、こぼれてきた。
 
 
♡)臣くんが…、優しくて
  あったかいから…っ
臣)……
 
 
一緒に来てくれて
 
ありがとう。
 
 
♡)…ぐすっ……
 
 
パパに会ってくれて
 
ありがとう。
 
 
臣)……
 
 
臣くんの手が
優しく頭をポンポンする。
 
 
臣)ほんとお前は…
♡)ぐすっ…
臣)お父さーーん
  ♡はこんな泣き虫のままですよーw
♡)ああっ!!
  言っちゃだめぇっ!//
臣)もうバレてんだろ、どーせw
♡)ううう…っ
臣)ほら、もう…
 
 
臣くんがまた涙を拭いてくれた。
 
 
どうして…一緒にいると
こんなに心があったかくなるんだろう…
 
本当に…太陽みたい…
 
 
♡)臣くん…っ
臣)え、ちょっ、おい!//
 
 
ぎゅっっっ
 
 
♡)好き……
臣)こんなとこでやめなさい//
♡)やだっ!//
臣)こらw
♡)今ぎゅってしたいんだもん!
臣)お父さんに見られてるんですが…
♡)いいのっ!!
臣)いいんかい!!w
♡)だってパパはきっと…
 
 
抱きしめたくなったら…
好きって気持ちが溢れたら…
 
いっぱいぎゅってしなさいって
きっとそう言うもん。
 
 
♡)パパがぎゅってしなさいって言った。
臣)嘘つけ!w
♡)ほんとだもん!
臣)……
♡)大好きな人には
  いっぱいぎゅってして…
  大好きだよって伝えるの。
臣)……
♡)……
臣)伝わってるよ…?
♡)え?
臣)お前の気持ち。
♡)……
臣)俺にも。
♡)……
臣)お父さんにも…、絶対。
♡)……
 
 
臣くんの言葉が
スーッと胸に溶け込んで…
 
 
♡)……えへへ♡
臣)あ、やっと笑ったw
 
 
臣くんがほっぺを撫でてくれた。
 
 
♡)パパ…また来るね♡
  でも、いつも側にいるからねっ♡
臣)……
♡)臣くん、連れてきてくれて
  ありがとう♡
臣)ん。
♡)本当にありがとう♡
臣)ん。じゃあ行くか。
♡)うん!!
 
 
それから私たちは
手を繋いで車に戻った。
 
 
 
 
 
 
 
ー続ー

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